お知らせ

『新型コロナウィルス感染症の罹患後症状(後遺症)』 ~呼吸器症状について~

 

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が発生してから約3年(2023年2月現在)が経過しており、第8波のピークが過ぎて現在は感染者数も減少傾向となっております。新型コロナウィルス感染症に罹患した方の増加に伴い、症状が軽く全く後遺症もないという方が多い一方で、感染後になんとなく体調が悪いといった罹患後症状(後遺症)が比較的長期にわたり持続する方も増えてきております。罹患後症状の病態についてはまだ不明な点が多く、感染性は消失しているが、他に原因がなく症状が持続します。代表的な罹患後症状には、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、味覚嗅覚障害、動悸、下痢、腰痛、睡眠障害、筋力低下等があります。

新型コロナウィルス感染症に罹患し入院された方を対象に実施した国内の報告では、入院時の重症度が高かった方、治療中に人工呼吸管理を要した方、女性、中年者(41歳~64歳)において、罹患後症状を訴える割合が多い傾向があります。

 

【呼吸器症状への対応】

呼吸器系の罹患後症状としては、呼吸困難、息切れ、咳、痰、咽頭痛が多い症状です。まずは詳細な問診と身体診察を行い、低酸素血症があるかどうか、器質化肺炎、気胸・縦隔気腫、心疾患、肺炎、肺血栓塞栓症、うつ、不安症等原因の鑑別を進めます。必要に応じて、胸部レントゲン検査、心電図検査、血液検査、酸素飽和度測定等を行います。診察所見、検査結果により、異常所見なく症状も軽快している場合は経過観察となりますが、原因が特定できない場合や3~6か月症状が持続する場合はCT検査や心エコー検査、肺機能検査等の精密検査可能な専門の医療機関への受診を考える必要があります。

 

罹患後症状については、現状まだわかっていないことも多いです。新型コロナウィルス感染症に罹患した後に長引く症状がある場合は、他の疾患による症状の可能性もありますのでかかりつけ医など地域の医療機関を受診しましょう。

罹患後症状のケアや対応に関しては、医療者側の理解、対応がおいついていないこともあります。目に見えない症状もあり、職場や学校などでも、周囲の人の理解やかかわりが重要となってきていると考えます。

 

新型コロナウィルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)についての情報は、厚生労働省や各都道府県のホームページにも詳しい掲載がございますので参考にしてください。

 

令和5年3月発行 救急便り134号より

永山内科クリニック 山元 正之 先生