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ウォーキングのすすめ

コロナ禍の憂鬱な毎日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
気持ちも体も沈みがち、家に閉じこもってばかりなんて方が多いのではないでしょうか。今回は皆さんおなじみのウォーキングについてお話させていただきます。

昨年、私もとうとう50歳の壁を越え、日々体の衰えを痛感しています。一般的に体は年齢とともに内臓機能の低下、認知機能の低下、筋肉量の減少、相対的な脂肪量の増加を生じ、ロコモティブ症候群、メタボリック症候群、フレイルなどの状態に陥ります。

それらを予防し、健康を維持するには、中高年の方々にはレジスタンス運動(筋力トレーニング)、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)の2つが特に有用とされています。有酸素運動の中でもウォーキングは特別な用具も必要なく、いつでも、どこでも、だれでも手軽に行うことができます。その効果は循環・代謝機能、認知機能、ロコモティブ症候群、メタボリック症候群、フレイル、関節痛にも効果があるといわれています。

種類はゆっくりした散歩程度のウォーキング、少し速足でのウォーキング、ポールを使ったノルディックウォーキング、プール内での水中ウォーキングなどがあります。

頻度としては1日30分、週に4-5回を行うのがいいでしょう。もちろん、無理をせず、各人の年齢、体力、痛みの具合などに応じて強度、頻度は増減してください。あまり過多になっても逆効果、調子が悪ければ1日10分位でもよいと思います。

室内でのマシーンを使ったウォーキングもよいですが、屋外でのウォーキングをお勧めします。屋外では自分のペースで行えますし、様々な状況に対しての状況判断能力、反射神経、バランス感覚の訓練にもなります。また日光浴をすることによってビタミンDの生合成を促し、骨粗鬆症に対しても効果的です。屋外のウォーキングを行う場合、多摩市は坂道が非常に多いので平坦な道で行うのがいいでしょう。坂道は足の裏、ふくらはぎ、膝、股関節、腰に負担がかかりやすいので気を付けましょう。靴はしっかりとソールのあるものを選んでください。サンダルや革靴など固いソールの靴は足底の筋膜を痛める原因にもなります。良いことづくめのウォーキングも、過度になったり、安静が必要な時期に無理やり行うと、体を害することがあるので注意が必要です。体に心配がある方は、かかりつけの先生に現在の体の状態を相談してから行ってください。

 

多摩市は桜がきれいな場所がたくさんあります。乞田川、大栗川、多摩川、桜ケ丘記念公園、宝野公園、奈良原公園、横山の道(体力に自信のない方は少しきついかもしれません)などはおすすめのウォーキングスポットです。ぜひ行ってみてください。

コロナ禍のこんな状況であるからこそ、個々で意識を高く持って健康を維持していきましょう。多少の障害や病気を持っていたとしても、実りある生活を送っていけるようにがんばっていきましょう。

 

令和3年3月発行 救急便り126号より
永山整形外科 林 幹彦 先生