お知らせ

『ACP (Advance care planning)』 (人生会議)

『 A P (Advance care planning) 』(人生会議)

“自分は延命治療なんてして欲しくない。でもいざという時には意思表示が難しいかもしれない。どうしたらいいだろう。”と外来患者さんから相談を受けたことがあります。
自分の最後のあり方をお元気なうちから決めておきたいと思っている方がいらっしゃいます。
最近、自分であらかじめ決めておくことに関して、ACP(Advance care planning)という言葉が聞かれるようになりましたが、皆さん、ご存じでしょうか。
望まない延命治療等の社会的問題から、厚生労働省はACPに“人生会議”という愛称を付け、今後望む医療や人生の最期について、元気なうちから自分の生き方や価値観を見直して、信頼できる家族、医療者などと十分話し合っていこうという働きかけをしています。その時の状況によって出る結論が変わるので、一度決めたら覆せないというものではなく、むしろ必要に応じて繰り返し話しをすることが求められています。大切なのは本人家族、医療従事者で思いを共有するということと、ご本人の意思疎通が困難となったときには、共有した人が代弁者となるということです。しかし、そういう話が苦手な方に強要するものではありません。
いざというとき、私たちはとてもあたふたしてしまいますが、ずっと前から何回も繰り返されてきたACPというプロセスは、救急搬送時に搬送先である救命センターや病院での治療の経過に活きてきます。人生会議というと何だかかしこまって聞こえますが、ざっくばらんに話ができるといいですね。

令和元年9月発行 救急便り第120号より
新垣内科外科クリニック 新垣 美郁代 先生