お知らせ

熱中症

今、5月下旬ですが、真夏のような暑い日が続いています。これから、熱中症が最も多く発生する時期になります。

熱中症とは、暑熱によってひき起こされる、全身的な諸症状やその病態をいいます。症状としては、めまい、立ちくらみ、生あくび、頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害など、軽度のものから重度のものまであります(表1)。

熱中症をおこした場合の対処、治療です。まず暑熱環境で起こった体調不良は、すべて熱中症の可能性があると考えて対処する必要があります。表1のⅠ度の場合は、木陰やエアコンの効いた涼しいところで休ませ、体を濡れタオルや保冷剤を使って冷やし、水分を補給します。表のⅡ―Ⅲ度の症状があるときは、前記対処をしつつ、迷わず医療機関を受診して下さい。

水分補給には、どんな飲み物が適切でしょうか?熱中症の時には、発汗に伴い、水と同時にNa(塩分)も失われます(皮膚がベトベト)。従って、その補給には水のみでは不十分で、Naとこれの吸収に必要な糖がバランスよく含まれている経口補水液(ORS)といわれるものが良いでしょう。市販品ではオーエスワン®(OS-1:大塚製薬)があり、小児用ではアクアライトORS®(和光堂)があります。スポーツドリンクは塩分に比し糖分が多い組成になっています。

予防対策をしっかりしましょう。熱中症に限りませんが、やはり予防が第一です。まず、表2を参考に、テレビやラジオで熱中症情報をチェックしましょう。特に乳幼児や高齢者は要注意です。暑い中、こどもをバギーに乗せて移動するときは、地面からの反射熱で、押している大人の感じている以上に暑さの影響を受けています。赤ちゃんの様子を時々見て下さい。高齢者は暑さや口渇を感じにくく、労作をしてなくても室内で熱中症になることがあります。熱中症情報を参考に、室内ならエアコンを使い、屋外なら木陰で休息をし、こまめに水分補給をしましょう。予防のための水分(あまり発汗がない)は、水、麦茶やスポーツドリンクでもいいでしょう。
平成29年6月 救急便り111号より
唐木田こどもクリニック 飛田 正俊