お知らせ
| 「アナフィラキシ―とアナフィラキシ―ショック」
アナフィラキシ―に対するアドレナリン治療薬として鼻腔内に薬液を噴霧するネフィ―点鼻液が新しく発売され、多摩市でも2026年9月1日より学校現場でも投与出来るようになりました。 これを機会にアナフィラキシ―について理解を深め、アナフィラキシ―ショックによる死亡を防ぐためアドレナリン製剤を適切に使用するようにしましょう。
アナフィラキシ―とは、アレルゲン(原因物質)が体内に入ることで、皮膚、呼吸器、消化器、循環器など複数の臓器に急激に症状が現れる重篤なアレルギ―反応です。血圧低下や意識障害を伴う命に関わる状態はアナフィラキシ―ショックと呼ばれ適切に対処しないと死に至ることがあります。
主な原因物質は、1)食べ物:卵、乳、小麦、エビ、カニ、ソバ、ナッツ類など、2)昆虫:ハチ毒(スズメバチ、アシナガバチなど)など、3)医薬品:解熱鎮痛薬、抗生物質、造影剤、ワクチンなどがあります。発症は、原因物質摂取後数分~数十分と非常に早く、1)皮膚、粘膜:全身の強いかゆみ、じんましん、唇や眼瞼の腫れ(約9割の人に出現)、2)呼吸器:息苦しさ、ゼ―ゼ―・ヒュ―ヒュ―する呼吸、のどの締め付け感、3)消化器:激しい腹痛、嘔吐、4)循環器・全身:血圧低下、意識障害など複数の臓器に症状が現れます。 医師から処方されているアドレナリン製剤がある場合、緊急時の対処法を整理しておきましょう。(アドレナリン製剤がない場合は、一次救命処置と同じ流れになります。)
まず、1)仰向けで足を高くして寝かせます。(吐き気がある場合は顔を横向けにする)2)人を呼び<救急車を呼ぶよう依頼する。3)アナフィラキシ―を疑ったら、アドレナリン製剤を迷わず投与します。従来は、アドレナリン自己注射薬エピペンのみでした。これを直ちに太ももの中央外側の筋肉に強く押し付け筋肉注射します。もう一つ、冒頭で言及したネフィ―点鼻液があります。これで鼻腔にアドレナリン液を噴射します。そして忘れてはならないのが、4)必ず救急搬送し医療機関に引き継ぐ、ということが一連の流れです。 なお、学校現場で教師が本人に代わってアドレナリン製剤を投与する場合は、医師による学校生活管理指導表(アレルギ―疾患用)による指示が必要となります。 令和8年10月発行 救急便り145号より 武井小児科 武井 章人先生 |