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| 『眼が赤い』は・・・・・「充血」「結膜炎」?
自分や他人の眼が赤いとき「目が赤い」「充血している」「結膜炎だ」などいろいろな表現がされますが、よく観察してみるとその色の濃さや全体なのか部分的なのか等それぞれ異なります。どのような違いがあるのでしょうか。 先ず、大別して「充血」と「出血」があります。充血というのは、普段は細くて目立たない血管が拡張し遠めに見たときに白眼の一部または全体が赤らんで見える状態です。一方出血は、血管の走行とは無関係に白眼の一部または全体が塗りつぶしたように赤くなります。症状が軽いと判断に迷うこともありますが、大抵はよく見ると肉眼でも容易に見分けられます。 では、一口に充血といってもどのような時に起こるのでしょうか。 結膜や強膜、角膜、ぶどう膜の炎症や急性緑内障のような高眼圧でも生じます。結膜の炎症とはすなわち結膜炎ですが、その中にも微生物や細菌・ウイルスなどの感染性結膜炎、花粉症などにみられるアレルギー性結膜炎や単純に目をこすったりケガによる損傷でも起こります。角膜の炎症も結膜と同様に感染や損傷により起こります。強膜炎やブドウ膜炎も感染性のものもありますが、全身疾患が原因となることも少なくありません。また、それぞれには充血以外の特徴があり、結膜炎では眼脂(メヤニ)が出ます。細菌感染では黄色や緑色のメヤニが、ウイルス感染では白色のクリーム状のメヤニが出ることが多いです。アレルギー性の場合は透明から半透明のメヤニで、自覚的に涙目で眼がベトつくと感じている人が多く典型例ではかゆみを伴います。角膜炎や強膜炎・ブドウ膜炎ではメヤニはほとんど無いか有っても軽度で、特徴としては痛みや視力障害を伴います。特に角膜炎では光刺激でも痛みを感じ、目を開けられないと訴えることが多いです。高眼圧の場合は痛みや視力障害を伴いますが、目を開けることは可能でよく「照明のまわりが虹のように見える」と訴え、症状が強くなると患眼と同じ側の頭痛と嘔気を伴ったりします。 一方、白眼の出血は「結膜下出血」と呼ばれています。勿論、外傷などの損傷でも生じますが、自分では心当たりがなく他人から指摘されて初めて気づくということもしばしばあります。教科書的には高血圧や動脈硬化、抗凝固薬の使用などが挙げられていますが、ほとんどは原因不明です。個人的な見解では、特別な疾患が原因となることはなく単なる体調すなわち疲労やストレス、睡眠不足や季節の変わり目など寒暖差からの体調不良が原因で、日常動作、具体的には運動や力仕事、かがんだ姿勢(お風呂掃除や草むしり等)、温泉やサウナなどがきっかけとなっていることが多く、年齢的には40歳代以降ですがたまに乳幼児の咳やくしゃみ、学生のコンパでの飲酒が原因と思われる例もありました。治療は、原因疾患があればその治療ですが、出血そのものに対する治療は不要です。自然に吸収消退を待たなければなりません。部分的な出血であれば数日から1・2週間で消退しますが、白眼が全て隠れてしまうような広範な場合は数週間かかってしまう場合もあります。 角膜炎や強膜炎、ぶどう膜炎、緑内障は失明の可能性のある疾患です。「眼が赤い」場合は遠慮なく眼科への受診を勧めていただくのが良いと思いますが、先ずはよく観察して自分なりに見極めてみてはいかがでしょうか。 令和7年1月発行 救急便り140号より 多摩なのはな眼科クリニック 黒石川 誠先生 |