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「マダニにご注意!」 野外活動時の感染症予防と対策

「マダニにご注意!」

野外活動時の感染症予防と対策

 

春から秋にかけて、薄着で外出するシ-ズンはマダニの活動が活発になります。マダニは森林や草むら、畑の周辺などに生息しており、ハイキングや農作業、庭仕事などの際に人の皮膚に付着して吸血します。マダニに咬まれ(刺され)ることで、まれに重篤な感染症にかかる可能性があります。これらの感染症は発熱、倦怠感、吐き気などの症状を引き起こし、重症化する可能性があるため予防が非常に重要です。

人間に被害を及ぼすダニには、ほかにも室内でホコリと一緒に吸い込んでくしゃみ咳などのアレルギ-を起こすヒョウヒダニ類、人から人に感染するヒゼニダニやネズミに寄生し衣類の中に入り込むいわゆる「虫刺され」をおこすイエダニ等がありますが今回のマダニとは別ものです。これらは体長1ミリ以下でほぼ目視できません。

 マダニに咬まれないためには、以下の点に注意しましょう

 ・林の中や草むらに近づく場合は長袖、長ズボンを着用し、肌の露出を避ける。

・ズボンの裾を靴下の中に入れるなど、マダニの侵入を防ぐ服装に心がける。

・虫よけスプレ-を使用する(マダニの付着を完全には防げない場合あり)

・ペットを吸血し感染症を媒介することがあるので散歩後は確認を。

2 もしマダニに咬まれているのを見つけた場合は

成虫の体長は2~8ミリ、吸血後膨らみます。マダニに咬まれた部位は、痛みやかゆみなどの自覚症状がないことが多いため野外活動後は、すぐに入浴し、マダニが付着していないか全身を確認しましょう。

①   無理に引き抜かない

・マダニは口器を皮膚に深く差し込んで、放置すると1週間以上吸血し満腹なると自然に脱落します。

・無理に引き抜こうとすると、口器が皮膚内に残り、炎症や感染症の原因になります。虫身体を強くつまんだりピンセットなどで無理に引き抜くのは避けましょう。

・刺された後2~3日以内であればペット用マダニ除去器具を利用して除去できる場合がありますが使う人の自己責任で用いる必要があります。

②   速やかに医療機関を受診する

・皮膚科や外科など、マダニの処置に対応できる医療機関を受診しましょう。

・医師が適切な方法でマダニを除去します。虫体の一部が皮膚内に残ってしまった場合は局

所麻酔をして、皮膚ごと除去します。

・虫が残存していない場合は必要に応じて抗生物質投与や経過観察を行います。

③   2週間は体調の変化に注意する

関東地方に生息するマダニは病原体を持っている確率がきわめて低いので刺されても過剰に恐れる必要はありません。しかし治療が遅れることで重症化する重症熱性血小板減少症(SFTS)や日本紅斑熱などの感染症を起こすこともありますので、正しい知識を持って対応することが重要です。

・咬まれた部位が赤く腫れる、全身の発疹、痛みがある、発熱や倦怠感、吐き気、下痢などの全身症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください

・自分でマダニを除去した場合は、虫体を持参すると診断治療の参考になります。

 

令和7年10月発行 救急便り142号より

桜ヶ丘皮膚科医院 渋谷 博文先生